溺愛されて困ってます。



「あれ?芽衣ちゃん?」


覗いていると、後ろから声がした。



「あ、五月さん!」



ママの知っている人みたい。



「こ、こんにちわ…」



「あら、梨衣ちゃん?
大きくなったね〜」



会ったことあるみたいだけど、誰だろう?



「梨衣ちゃん、まだちっちゃかったから覚えてないよね?
五月さんだよ〜」


ママのお友達みたい。



ドアの前で話していると、ガチャっとドアが開いた。



「なに、してる、んだ?

え?芽衣と梨衣?

何でいるの?」



パパが出てきて、私とママを見た瞬間固まった。


「パパのこと見に来たんだよね〜?梨衣ちゃん!」



「うん!お仕事してるパパかっこよかった!!」



そう言うと、まだどうしてなのか分かっていないみたいで、パパはじーっと私を見てきた。



「梨衣、もう怒ってないの?」



「うん。」



「はぁ〜、梨衣に嫌われたかと思った…」




パパがそう言うと、ママと五月さんは笑った。



「本当、親ばかなんだから」

とママに言われて、


「なに?だから今日テンション低かったの?」

と五月さん。



「…きにするな…」



パパは恥ずかしそうにしながら、部屋の中に入っていった。




「あ…芽衣ちゃん!時間ある?

少しだけ手伝ってもらえない?」



「ありますけど…」



五月さんに言われて、ママは私をちらっと見た。


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