溺愛されて困ってます。
「実は、場所はもう取ってあるんだよね〜」
「はやいな…」
「山奥なんだけど、結構いい所でさ!」
「へぇ…」
社長同士で話が進んでいるから、私はなんか、蚊帳の外みたいだ…
「…い、おい!」
「ふぇ!?はい!!」
「聞いてたか?」
ぼーっとしてたら、いきなり呼ばれた。
「す、すいません…」
「このホテルのコンセプト、なんかあるか?」
んー…
「山奥なんですよね?」
…
あっ!
「心と体を癒す、別世界の隠れ家…なんてどうでしょうか?」
「どうして?」
「山奥だから、普段のことを忘れてリセットする。
家族や仕事のことを忘れるための空間。
など、誰にも知られない隠れ家みたいなホテル。
そういうのはどうでしょうか?」
「別世界っていうのは?」
「普通のホテルだと、近場でいいやってなりますけど、このホテルなら、別世界に行ったみたいに、普段のことを忘れられる空間みたいなデザインにするんです。
きっと、それだけでお客様も集まりますし、若い女性に人気になると思うんです。」
社長は私の話を何も言わず聞いていた。
「…どうですか?」
「うん!いいね!採用!!」
えぇーー!?
決まっちゃった…!
明石社長が、即決してくれたけど、いいのかな…
社長も、満足そうな顔をしているけど…。