キミが可愛いわけがない


「あの2人ってなんか意外だよね」


「有馬くんと河西さん?」


「うん。有馬くんはもっとぶりっ子が好きなのかと思ってたから」


「それなんかわかるかも」


近くの席に座る女子たちが、ユズと有馬を見ながらコソコソ話をしている。



「河西さんのこと、結構好きだったから有馬くんと付き合ったらちょっとショックかも」


「なにそれ〜」


「だって、河西さんってイケメンじゃない?男っぽくてサバサバしてるっていうか、ああいう女子結構好きなんだよね〜」


お前らはユズのことをなにもわかっていない。まぁ、ユズ自身が本当の気持ちを隠してるから仕方ないけど。


ユズは全然サバサバしていない。


中学の頃のあのことがきっかけで、余計女々しくなってしまった。


< 108 / 238 >

この作品をシェア

pagetop