キミが可愛いわけがない
友達
(side 柚希)


「はぁー?若松と帰る?!」

「柚希、この間私たちとした話忘れたの?」


うっ、この人たちはまったく…。


帰りのHRが終わって、咲菜が私のことを教室まで迎えにきてくれた。


今日の放課後は咲菜と遊ぶ約束をしたから。


だけど、咲菜が教室に入ってくるとすぐに、かよとりんなたちが不満そうに咲菜本人を目の前にして話し出した。



「ユズちゃん…もしかして予定とかあった?」


上目遣いで不安そうにこちらを見る咲菜。


あぁ、可愛い。


「いやいやいや!今日は咲菜との遊ぶって決めてる!そう言うことだから…」



そう言いながら、かよとりんなの顔を伺う。
2人に嫌われたらどうしようって不安ももちろんあったけど、それよりも先に歩み寄ってくれた咲菜を大切にしたかった。


「ほんっと、柚希はお人好しっていうか…」

「良い性格してるよね〜誰にでも優しい」

「王子様か」

2人はそういうと、同時に私のお腹を突いた。


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