キミが可愛いわけがない
「ごめんね、2人とも咲菜のことよく知らないから…」
「なんでユズちゃんが謝るの?ユズちゃん何にも悪くないじゃん。むしろ目つけられれてる私と一緒にいてくれて、感謝してる」
「いや、感謝なんてそんな…」
教室を出てから、廊下を2人で歩く。
高くて女の子らしい声。
どうみたって、咲菜の悪いところなんて私にはわからない。
可愛すぎるってだけだ。
「お店で私のこと助けてくれたし、今日はちゃんとユズちゃんにお返しするんだ!」
咲菜はそういうと少し頬を赤く染めてから、私をみてニコッと笑う。
可愛い。
可愛すぎるよ。
ふわふわの髪も、長い睫毛も。
赤ちゃんみたいな綺麗な肌も。