キミが可愛いわけがない

「この気持ちが前と違うってことぐらい自分でもよく分かってるけど…正直どうしていいかわからないんです。今の関係が壊れるならわざわざ賭けに出るような行動はしない方がいいんじゃないかとも思ってて…」


もし、ユズから有馬を離せたとして、そのあと俺はどうするんだ？


ユズに告る？


そんなの無理に決まってる。


絶対に振られるし、今までみたいに2人で過ごすことは不可能になるだろう。


それでも俺は、ユズと恋人同士になりたいのかと言われれば良くわからないし。



「じゃあ芽郁は…」


頷きながら黙って俺の話を聞いていた翔也さんが口を開いた。



「今の気持ちを無かったものにするつもりなの？」


「いや…」


「でも、告白しないってことはずっと引きずるか、完全に消すかのどっちかだよ？引きずっていたら、いつか必ず思いもよらないところで爆発させちゃうかもしれないし」


「爆発…」