キミが可愛いわけがない
「あ、えっと、私もママにおつかい頼まれてたんだった!」
「え、そうなの?!」
突然、手をぽんと叩いて何か思い出したポーズをした咲菜に聞き返す。
「うん!丁度、楠木くんいるし2人で帰って!ユズちゃん今日は本当に────」
「え、いや、一緒におつかい行くよ?」
「ううん!大丈夫!本当に楽しかった!ありがとうっ!また遊ぼうね!」
なんだかソワソワしてるように見える咲菜だけど、理由はよくわらない。
さっきまで帰る気満々だったのに…。
「じゃーね!」
「ちょ、咲───っ、、、!」
ガシッ
振り返って早歩きで歩いて行く咲菜の背中に名前を呼ぼうとしたら、ずっと黙ってた芽郁に手首を掴まれた。