キミが可愛いわけがない
「手…」
「ん?」
芽郁が絆創膏を貼った私の右手をみて呟いた。
「もういいの?包帯」
「あぁ、最初から大げさすぎたんだよ。包帯なんて。骨折してるわけじゃあるまいし」
本当は、有馬があんまりうるさいからさっさと解きたかっただけ。
「…そう」
ん?
なんか、今日の芽郁おかしい。
「なに、ハンバーガー食って腹壊したか?」
芽郁の顔を覗き込む。
「…はぁ?壊してねぇーよ」
「ふーん。なんか大人しいから」
「ユズがうるせーだけじゃん」
「はぁ?!」
「さっきからウホウホうっせ……っいた!」
ボソボソ喋る芽郁の頭を思い切り叩く。
なんなのさ!大人しいと思って心配したのに!元気かよ!