キミが可愛いわけがない


ほんっと、かやたちはいつだって雑。


私も人のこと言えないけど…。


でも、ズバズバとはっきり言ってくれる2人だから、まだこうやって一緒に入られているんだと思う。


『もっとタチ悪い人とかいるからさ』


咲菜が言ってた言葉、本当はすごくよくわかる。影でコソコソ言われるよりまし。



でも、菌って言い方はいくらなんでも酷すぎるよ…。


「あれ〜?柚希なんか元気なくない?」


げ。


かよたちに囲まれて席に座っていると、教室に入ってきた有馬が机にカバンを置きながらこちらを見てそう言った。



「べずに(別に)…」


「うわ〜!有馬すごいね!」


りんなが私の声を遮って目をキラキラさせながら有馬を見る。


「柚希の声聞く前に、柚希の体調に気付くなんて!」


「本当だよ。私たちだって声聞くまで気付かなかったのに」


「だって、いつもと全然違うよ。眉間のシワとかいつもより深い」


「だばれあでば(黙れ有馬)」


「うわ、結構重症じゃん」


うるせぇ。
私は隣の有馬から目線を晒す。



芽郁だって、すぐに気付いたし。



「有馬、柚希のこと結構本気なの?」


本当、余計なことを聞くのが得意だよ、かよは。



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