キミが可愛いわけがない


「本気だよ?だから体調の異変に気付くのも当たり前〜」


ニコニコと嬉しそうに笑う有馬をキッと睨む。


やめてよ。


変なこと言わないでよ。


恋とかそう言う噂も雰囲気も、私には全然必要ないんだから。



「…ごめん、ちょっとトイレ」


早くこの空間から抜け出したい。


ただでさえ女の子たちから一目置かれている有馬と噂なんてたったら…そう思うと、気持ち悪くなって仕方ない。


風邪、気味のくせに。
重い。
かよたちや有馬のせいだ。



「え、ちょ、柚希?!」


追いかけるつもりもないのに名前なんて呼ばないでほしい。


頭がぼーっとしてる。


ガンッと軽く教室のドアに肩をぶつけても、止まらず教室を出た。



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