キミが可愛いわけがない
本当、有馬嫌いっ!
なんでああいうこと平気で言えるかな…。
頭がズキズキと痛い。
ぜーんぶ有馬のせいだ。
全く…。
私の足は、お手洗いを通り過ぎてそのまま階段を降りていく。
ほんの少し、保健室で寝よ。
そしたら気分だって少しは良くなるはず。
「あっ、」
っ?
壁にもたれかかって歩いていると、前から聞き覚えのある声がしたので、顔を上げる。
「あ、メガネくん」
そこには、この間無理やり掃除当番をさせられていた一年の男の子が立っていた。
「えっと、授業そろそろ始まり…」
「そっちだって…」
ん?
ここの廊下は確か、2、3年生しか通らないところ。
どうして1年生がいるのか、ぼーっとした頭で考えようとしたけど、彼の足元を見てなんとなく察した。