キミが可愛いわけがない
「ユズ…お願いだから」
っ!?
芽郁は小さくそう話し出すと、握る手をギュッと強める。
「俺の前では強がらないでくれ」
「…芽郁、何言って」
「俺が弱い時ずっと助けてくれたんだからさ、たまには俺にもかっこつけさせてよ。俺にくらい弱音吐いて欲しい」
「っ、、、」
芽郁の目が私をしっかりと捉えて離さない。
手もしっかり握られたままで。
なんか…なにこれ…。
いつもの芽郁じゃない見たい。
今まで感じたことない違和感。
「っ、じゃ」
芽郁はポカンとする私にそう言って、私の頭をポンポンとすると、カーテンの向こう側へと出て行って、先生に挨拶をすると保健室を後にした。