キミが可愛いわけがない
そばに
*
♪〜♪〜♪〜♪〜
家の玄関に入ってすぐ、俺の携帯の着信音がなった。
『母さん』
と表示されている。
「もしもし」
『あ、芽郁!お母さんだけど』
「あぁ」
『仕事の帰り道なんだけど、土砂崩れで道路が封鎖されちゃってね』
「は?」
『今日、そっちに帰れそうにないの…』
まじかよ。
「父さんは…」
『お母さんとお父さんは今日はおばあちゃん家に泊まろうと思う』
「はぁ…」
『それで、ユズちゃんはどうしてるかな?』
「え、ユズ?」
なんで今ユズの名前が出てくるんだ?
『河西さんともちょうどそこで会って…2人はビジネスホテルに泊まるっていってたけど、ユズちゃん1人で平気かなって』
まじかよ…。
てっきり、家にはユズのお母さんがいて看病してもらってるもんだと。