キミが可愛いわけがない
今までこんな風にちゃんと、芽郁を見たことなかったかも。
体はどんどん成長していくのに、頭の中は昔と変わんないんだもんな。
口はだんだん悪くなって言ったけど、その裏にちゃんと優しさがあることも知っている。
芽郁の頭の下敷きになってる左手を少し動かしてみるけど、なかなか動かない。
私は、もう一度目をつぶって寝る体制に入る。
芽郁が起きるまで寝ておこう。
もし、これから先、
芽郁に彼女ができたりしたら。
こんなこともう2度とないんだろうな。
頭の中は、フワッと笑った咲菜の顔でいっぱいになる。
そりゃ、可愛くない私よりもああいうザ・女の子の方が惹かれるよな…って。
何考えてんのよ。
芽郁が私を好きだとか、それこそ迷惑この上ないことじゃない!
熱でおかしくなってる。
だめだ。
もっかい寝て、ちゃんと頭を正常にさせなきゃ。