キミが可愛いわけがない
「ユズちゃん、やっぱりまだ体調悪いの?」
「えっ、あぁ、んー…ちょっとね」
咲菜はいい子だ。
だから私も、彼女の前では無理しないようにしようと思う。
出来るだけありのままの自分で接したい。
「ユズちゃん、風邪引いてる間、楠木くんとなんかあった?」
「えっ、、」
なんで咲菜がそういうこと聞くんだろう。
咲菜は芽郁からなにか聞いたのかな?
「あぁ、ほら。ユズちゃんすぐ顔に出るし…もしかしたら楠木くんのことかなって。楠木くんもユズちゃんのこと心配…」
「してるわけないじゃん」
「えっ、」
咲菜は悪くないのに。
こんなイライラするのはなんでだろう。
芽郁にも咲菜にもムカついてしまう。
「ごめん、ちょっと、まだ気分悪いや。保健室行ってくるね」
私は咲菜の顔を見ないようにしてから、食べ残した弁当を片付けてから保健室に向かった。