キミが可愛いわけがない
「だって、そうでもしなきゃ、布施くんずっとあの人たちに嫌な思いされ続けるつもり?」
「でも…」
「私がついているからっ!」
そういって、パンっと自分の胸をドヤ顔で叩く。
「でも…柚希先輩、大丈夫なんですか?僕なんかに時間使って…この間、幼なじみの人と喧嘩したっていってたし…もっと大切な…」
「あー!いいのいいの!私が布施くんといたいんだから!」
「…でも」
「もぉー!でもが多いなぁ!大丈夫だって!」
この感じ、懐かしい。
芽郁が泣きべそかいていたとき、よくこうしてあげたっけ…って。
なんで芽郁のことなんか考えているのよ…。
「わかった?」
「あ、えっと…よろしくお願いします」
布施くんはそう言って、軽く頭を下げた。