キミが可愛いわけがない
「え、これ、私に?!」
袋を受け取ってそう聞く。
「はい…先輩、チョコレート好きって聞いたので、チョコチップクッキーですっ」
女の子は話しながらどんどん耳を赤くしていく。
うわぁ…可愛いなぁ。
「この子、体験入学の時に柚希先輩のこと見かけてずっと憧れてたんですよ!それでこの高校に入るのも決めて…」
「えっ!そうなの?!」
私を理由に高校決めるって…。
そんなんで学校決めちゃっていいの?!
「気持ち悪いですよね。すみませんっ」
「ううんううん!全然!とっても嬉しいよ!こんな可愛い子が見てくれていたなんて。これもありがとうっ!」
私がそうお礼をいうと、女の子はもっと顔を赤くして頷いた。
可愛いなぁ〜。
こんな顔されちゃったら男の子なんてイチコロだよ〜。
キーンコーンカーンコーン
「あ、じゃあ、失礼します!」
予鈴がなったので、2人の後輩はそう言って、2年棟を後にした。