キミが可愛いわけがない
席替え
(side 柚希)



「はーい、新しい月になったと言うことで、席替えをしまーす」


担任の先生のその声で、みんなが一斉にざわざわとしだした。


先生の指示通り、クラスメイトが順番に教卓にあるくじを引いて、書記の女の子が黒板に名前を書いていく。


後ろの席ならどこでもいいな。


女子にしてはまぁまあ背の高い私のいるこのクラス、小柄な女子が実に多い。


多分、私が前になると後ろに座る子は黒板が見えなくなるだろう。


現に、今の席で後ろの席のかよちゃんに「ユズちょっと伏せて」なんて言われるのは日常茶飯事だし。



「はい、次、河西さん」


「はーい」


名前呼ばれて、くじを引く。



「28番」


私がそう言うと、書記の子が黒板に私の名前を記入する。


あっ!


28番って、一番後ろじゃん!


ラッキー!


もう満足である。


これで心置きなくノートがとれるよ。



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