キミが可愛いわけがない
「あのさ、有馬。私、あんたみたいなチャラい奴が一番嫌いなのよ。お願いだからそう言うの軽々しく言わないでくれる?」
我慢の限界だった私はそう言った。
こう言うやつのせいで変に誤解されちゃうんだ。
よっし!!
イケメン河西!!
言ってやったぞ!!
「こっわ〜!さすがだね〜河西さん」
「こらー!そこ静かに!そのまま帰りのHR始めるわよー!」
「はーいっ!」
担任に注意された有馬は明るく緩い返事をした。
あぁームカつくー。
「俺、軽々しく言ったつもりないよ?」
っ?!
小声で有馬くんがそう言う。
「俺、河西さんみたいな気の強い女の子、結構好きなんだよね〜」
「…キモいから」
「仲良くしようね、柚希」
彼は下の名前で私を呼ぶと、嬉しそうに笑った。