キミが可愛いわけがない


「可愛いくても色々大変なんだね。ああいうのにはほんと、気をつけて!じゃあね」


「あっ……」


私は彼女の頭にポンポンと手を置いてから、自分の席へと戻った。



「ゆ〜ず〜き〜!今の何!」


「へっ?!」


かよたちのいるテーブルに帰ってくると2人がすごい剣幕で私のことを見ているので、びっくりして変な声が出る。


「なんであんなやつのこと助けるわけ?」

「どーせあんなの、男にちやほやされて内心喜んでるに決まってんじゃん」


「…ごめんっ」


そんなことない。
だけど、ここで言い返すもんならせっかく築き上げたものが崩れてしまう。


だから気持ちを押し殺して謝る。


「ああ言う女は、結局、あいつの本性に気付けないで騙された男が助けてあげんのよ」



『柚希は…男の子の友達たくさんいるから私たちと遊ばなくてもいいでしょ?』



うっ…。


昔の嫌な思い出がフラッシュバックする。


あんな思いはもう…したくない。




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