キミが可愛いわけがない






「柚希ーー!」


「…はぁ?」


体育でバレーをしていると、隣のコートから有馬が私の名前を呼んで手を振ってるのが見えた。


私は彼を見たけど、プイッと目をそらす。



なんなのよ…こっちは全身全霊で大嫌いオーラ放ってるっていうのに…。


「今回の有馬くん、なかなかしぶといねー」

「河西さんは難易度高いでしょ?」


休憩している女子たちが話してるのが聞こえる。



本当だよ、私は絶対にああいう輩には振り向かないし、しつこく声をかけて来ても無駄なのに。


「柚希〜!」


「あーも!有馬うるさい!」


何度も名前を呼ぶ彼にとうとう我慢できなかった私がそうやって隣のコートに向かって叫んでも、有馬は「やっと反応してくれた〜」って嬉しそう。



ほんっと、馬鹿なやつ…。



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