キミが可愛いわけがない
(side 芽郁)


お昼休み。


廊下側の窓に体を預けながら、購買で買ったメロンパンをかじる。


こんなところユズに見られたら『立ち食いとか行儀悪い』なんて絶対怒られるだろう。



そんなことを思いなが今、中庭のベンチで友達と弁当を食べるユズを見る。



『学校では極力話しかけるな』


なんて言われてるからな…。


だからってこうやって盗み見てるのもなんかストーカー見たいで自分で気持ち悪くなるけど。



ん?


外にいるユズが、男としゃべってるのが見えた。


は?

なんだあいつ。

ユズの肩に手なんか回しやがって…。


俺は、持っていたメロンパンが潰れそうな力で手にギュッと力を入れた。


なんなんだよ、あいつ。

金髪でいかにもチャラそうなやつ。


何度か見たことあるけど、名前までは知らない。


「有馬 詩音くん」


っ?!


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