キミが可愛いわけがない


「絶対嫌だしっ」

眉間にしわを寄せながら嫌悪感剥き出しでそう言う。


「ひど〜い」


有馬はそんな私と正反対で、涼しい顔でこちらに笑顔を向けていた。


何この余裕ですけどって顔。

ムカつくな〜。


「次、有馬くん」


先生に名前を呼ばれた有馬は、席を立ち上がって教壇の方へくじを引きに向かった。


うわ〜絶対あんなのと一緒になりたくないよ。


あ、そういえば…。


芽郁たちのクラスはどうやって決めてるんだろう。
芽郁、大丈夫かな?


女の子たちはみんなグループに入れてくれようとするはずだけど…。


男の友達がいないと、また難しいんじゃないかな…。


芽郁のことがすごく心配になる。


昔は、いつも私がそばにいたから良かったけど…。


「……さんっ!河西さんっ!」


はっ!!


先生に名前を呼ばれてるのに気付いて、慌てて席を立ち上がる。


もし、係りが芽郁と同じになれば、少しは隣にいてあげられるかも。


行事の時くらい、一緒にいてもいいよね。




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