キミが可愛いわけがない
なんなのよ〜!有馬!!
ほんっとムカつく〜〜!!
「わっ!河西さんそんな切り方危ないよっ」
うっ。
洗い場からテラスに帰ってきて、野菜を切ってると、すぐにグループの女子に注意される。
あぁー、恥ずかしい。
だから嫌なのにーー。
昔から私はセンスがないんだ。
芽郁は昔から新しいことを初めてもすぐに形になる子で、そんな芽郁と私は正反対。
「ほら、こっちの手は猫の手」
っ?!
突然、誰かに後ろから手を回される。
耳のすぐ横で大嫌いな声が聞こえた。
「ちょ、有馬やめてよ!できるから!」
「暴れないで。危ない」
うううう。
これじゃ、初めてお母さんのお手伝いする子供みたいで恥ずかしいよ。