キミが可愛いわけがない


「ねぇ、、ちょ、有馬ほんとにもう大丈…」


自分の手に重なった有馬の手を見つめる。
これじゃ余計切りづらいって…。


「これだけ切り終わったら離れるから」


さっきのチャラ男発言連発の有馬は何処へやら。

今は真剣な声でただただ丁寧に私に包丁の使い方を教えてくれている。


「うわ〜有馬くん、料理できるんだね!」
「料理してる男子ってなんでこんなにかっこいいんだろう!」
「まぁ、教え方はちょっぴりチャラいけどね」


グループの女子たちが有馬を見てそういう。


チャラいけど顔は整ってるもんね、有馬。
やっぱり、芽郁の次くらいにモテるのって有馬なのかな?


「柚希、今別のこと考えてるでしょ」

「えっ、」

耳元で話掛けられると、どうも動揺してしまう。


それも変に有馬は私のこと見抜くし。




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