キミが可愛いわけがない
「ふぅーやっと終わった〜!」
野菜を切り終わった私は、テーブルベンチに座って、ひと息つく。
「お疲れ〜河西さん、有馬くん。焼くのは私たちがやっとくから、できるまで休憩してていいよ!」
紙コップに入れたお茶を私たちにくれた女子がそう言ってくれた。
「わー!ありがとうっ!助かる!」
「じゃあ、俺その辺ぶらぶらしてくる」
「いってらっしゃ〜い」
「そんな寂しがらないでよ」
っ?!
有馬は笑いながら私の髪をクシャクシャっと撫でる。
「はぁ?!寂しくないし!バカじゃないの!早くいけや!」
「はいはーい。素直じゃないね、柚希は」
有馬くんはそう言って、みんなのいるテラスから離れて行った。