キミが可愛いわけがない
「有馬はさ、」
「ん?」
「なんで私にこだわるの?女の子たくさんいるじゃん。別に私可愛いわけじゃないし。遊ぶんなら可愛い子がいいでしょ?」
芽郁のことでなんだか落ち込んでる気分を変えるために、有馬に話しかける。
認めたくないけど、有馬みたいなイケメンは、そんな自分に見合う容姿のいい女の子といた方が楽しいはずだ。
私みたいな色気のない男みたいな女を落とそうとするなんてそれこそ、イケメンの無駄遣いだ。
「…俺、いつ遊びって言った?」
っ?!
後ろを歩いていた有馬が、私の肩に手を回してきてそう言った。
はい?
なに言ってんの有馬。
そんな言い方まるで、有馬が私を…。
「…俺、本当に柚希のこと好きだよ?」
「はぁ?からかわないで」
「からかってない」
「…っ、」
嘘だ。
こうやって落とすのが彼の手口なんだ。
騙されてたまるか。