キミが可愛いわけがない


「そりゃ、今までは遊びで女の子たちと付き合ってたけど…もし今までと同じなら今ここで、柚希に手出してる」


っ?!


「どけ!この変態エロチャラ男!!」


私はそう叫んで、有馬から勢いよく離れる。


「ちょ、なにその悪口オンパレード」


有馬は「傷つくよ〜」なんていいながら笑った。

その笑顔が、なんだかいつもよりも切なくて、言い返そうと思ったけど飲み込んでしまった。



「…柚希、覚えてないの?」


「なにがよ!」

私は、手を構えて有馬から己を守るポーズをしながら聞く。


「…まだ2年なったばっかの時。俺、一回柚希に裸見られてんだけど」


っ!!!


「はぁぁぁ?!なにわけのわかんない嘘ついてんの!見てないし!」


「…そんな顔赤くすんなよ、こっちが変に照れるし」


「赤くねー!」


そう言って有馬からまたさらに距離をとる。


「あの時も柚希、そんな顔してたな」



なんか嬉しそうに笑う有馬に少しイラっとする。


なんなよー!こいつー!


< 74 / 238 >

この作品をシェア

pagetop