キミが可愛いわけがない
「ほら、視聴覚室で俺が後輩の女の子と…」
「視聴覚室…後輩」
「エッ…」
っ?!
「ああああああ!!!!!」
全て思い出した思い出した!!!
私は大きな声で叫びながら有馬を指差した。
そうだ。
あの時…。
視聴覚室での授業が終わった後に、ペンケース忘れたの気付いて、取りに行ったとき…
ドアを開けた瞬間、ブラウスが見事に乱れた女の子と上半身裸の男の子がキスしてるのを見てしまったっけ。
あのシーンがあまりにも衝撃的で、あの時の記憶を無理やり頭の中から消していた。
そうだ…あれは絶対的に有馬だった。
「…それで…その話とあんたが私を好きなのとなにが関係してるって言うのよ!」
「なんて言うか…ああいうのを見てあんなに動揺して真っ赤になる柚希見て、可愛いなって思ったんだよね」
「…それ絶対バカにしてるし。そんなんで好きになるなんておかしい」
私は火照った顔を隠すようにして有馬にそういう。