キミが可愛いわけがない
「いや、違う、まって!まずはって何!」
一本道をUターンした時、私はハッと立ち止まる。
「ん?お友達からってことだけど」
少し前を歩いていた有馬が振り返って立ち止まった私を見る。
「お友達から?」
「それから恋愛対象として…」
「無理だから!」
危うく有馬のペースに飲まれるところだった。
「…私、彼氏とか作んないよ?有馬とはそもそも付き合うつもりないし、有馬以外のどの男子とも」
「なんで?」
「…なんでって…恋愛よりも、今は友達が大事って言うか」
「それ本気で言ってる?柚希、高校で恋愛しないつもり?」
ううぅ、そんな正体不明の生き物見たみたいな顔で見ないでよ…。