キミが可愛いわけがない


「…っ!だから、すぐ触んないで!近づかっ…っ!!」



「柚希っ!」


やばっと、思った時には、自分の足が浮いているのが見えて、


────ドンッ


鈍い音とともに、お尻と手に痛みが走った。



「……いったぁー」


「柚希、大丈夫か?!ごめん、俺が調子乗ったから…」


尻餅をついた私に駆け寄った有馬が慌ててそういう。


「…いや、有馬のせいじゃないし」


まぁ、こいつが変に私に触って来なければ、私が彼から逃げようとして石につまづくことなんてなかったかもしれないけど。



それでも、石に気づかなかったのは自分の不注意だし。日頃から体力づくり頑張ってればこんなに派手に転ばなくても済んだかも。



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