キミが可愛いわけがない







「これでよし。結構深く切ってるから、1週間は巻いてた方がいいわ」



「ありがとうございます。すみません」



「いえいえ。よかったわ。骨折とか大きな怪我じゃなくて」



肝試しが終わってすぐ、有馬が私の怪我のことを先生に報告してくれたので、救護室にて養護教諭の先生にすぐに手当てしてもらった。



ここまで大げさにしなくてもいい気がするけど…。


包帯が巻かれた手を見てそう思う。



「みんなもうとっくにバスに乗って学校に帰る仕度してるけど、河西さんのことは家まで私が送るわ。あ、ちょっと待っててね」



「はい」


────バタン



先生が救護室から出て行った。



本当なら、みんなとバスでワイワイいいながら学校に帰るはずだったのに。


鈍臭いな、私。


まさか、体力と運動神経だけには自信があった私があんなこけ方するなんて。



窓の外を見ると、午後7時前だけどもうあたりは真っ暗になっていた。



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