キミが可愛いわけがない
「…違う、付き合ってない!好きでもない!どっちかっていうと嫌い!その…若松は…なんか…えっと…ユズと…友達になりたいみたいで…」
いっぺんに喋り出す芽郁が必死すぎて、なんだかおかしい。
っていうか…若松さんが私と友達になりたい?
まさか、そんなわけ…。
「聞いた。若松、前にユズに助けられたことがあるって、だからユズと友達になりたいんだって。その相談の延長で…ペアになっただけで…だから…その…信じて?」
芽郁がいなくなったら、私は心から信用できる人なんていなくなる。
言われなくたって、芽郁の言うことはすぐに信じるよ。
「わかった」
私は、芽郁の目をまっすぐ見てそう言った。