キミが可愛いわけがない
「あいつ、なんかクラスの女子からはよく思われてないんだよね」
「…あぁ、それ聞いたよ。かよたちから」
「うん。それで、そのことをちょっと心配してた。自分がユズと関わるとユズを傷つけちゃうんじゃないかって。昔の話をあいつにしたわけじゃないけど、ユズそういうのに敏感だから一応、」
「んー…正直、まだわかんないや。でも素直に、若松さんとは話して見たいなって思う。みんなが言う嫌な雰囲気を私は若松さんから感じなかったから」
「うん。わかった。じゃあ決まりね」
本当は若松さんが芽郁のこと好きで、だから私と仲良くしたいなんて言ってるんじゃないかとか
いやいや、私がこの間助けてあげたからそれで仲良くなりたいって言っているってこの間、芽郁も言ってたじゃんとか。
若松さんが私と仲良くしたいと思う理由を頭の中で考えても、この2つしか浮かばない。
本当のところ、若松さんとちゃんと仲良くなれるのかは、わからない。
それでも…。
人と話すのが苦手な芽郁が私のためにここまで準備してくれたのは嬉しいから。
芽郁のためにも、自分のためにも、
頑張ってみよう。