キミが可愛いわけがない
「あああー頭痛い…」
2時間くらい勉強して(主に芽郁と咲菜が私の勉強を見てくれていた)少し休憩する。
「お疲れ、ユズちゃん」
「ユズは昔からすぐ休憩するからな。普段からちゃんと授業聞いとけばこんな辛い思いしなくて済むのによ」
「ううっ、咲菜、このひじき少年は勉強のことになるとすごい厳しくなんの。うざいよな〜頭いいアピール」
テーブルに顎を乗せたまま、隣に座る芽郁を横目で見ながら悪口を言う。
「でも羨ましいよ!勉強できる幼なじみなんて!今も、2人の中に私が入っていいのか不安だし…」
「何言ってんの!言いに決まってんじゃん!ほら!芽郁だって、可愛い咲菜を目の前で見られて鼻の下伸びてるじゃん!」
「はぁ?伸びてないし。伸ばすかよ」
「伸びてるよ〜!今日だけなんだかちょっとカッコつけてたのバレバレだよ?」
別に芽郁はいつも通りだった。
それなのに、自分でもどうしてそんな風に言ったのかわからない。
「フフッ、仲良いね。2人とも」
私と芽郁の言い合いを黙って聞いてた咲菜は肩を揺らして笑った。