キミが可愛いわけがない

「ユズちゃんは、好きな子とかいないの？」


咲菜は結構グイグイと質問してくるタイプで。思っていた感じとはちょっと違った。

でも、逆にその感じが私にあまり気を遣わせなくて楽。



「いない。ぜんっぜんいない！むしろそんなのいらない！私は友達が欲しいから！」


「…え、そうなの？どうして？」


「男といてもろくなことないし。あ、芽郁のことは男と思ってないよ？だから一緒に居られる。だけど、周りの子はそうは思ってくれないから、芽郁とは学校であまり話さないようにしてるの」



「…へぇー変わってるね、ユズちゃん」


「だって、女の子の世界でハブられたら生きていけないからね…臆病なんだぁ」


「私とは、正反対のタイプだ」


「えっ」


顔を上げると、満面の笑みでこちらを見てる咲菜がいた。