キミが可愛いわけがない
「薄っぺらい大勢に好かれることばっかりに意識がいってると、本当に自分のこと思ってくれてる人の気持ちに気づかなかったりするの」
「……無理だよ、」
怖い。
あの頃の記憶が蘇る。
『柚希のことは男子が構ってくれるって』
『仲良いもんね〜男と』
『いや、俺らだってあいつと付き合うのはごめんだよ?』
『遊んであげてるだけだし』
カースト上位の女子たちの一言で、仲の良かった男子たちでさえ、手のひらを返すように私とは関わらなくなっていって。
「ユズちゃんはもっと、堂々としているべきだよ!自分に正直に…」
「やめろ若松」
────ギュッ
気付けば、俯いていた私の包帯をしてる手を芽郁の手が優しく包み込んでいた。