私のご主人様Ⅳ
とりあえず向かい合ったはいいけど、ここからどうすれば…?
季龍さんの手は相変わらず肩の上にあって、逃げようとすれば即刻力が増して動けなくなること間違いなし。
うーん、この状況から逃げ出すには…。
「あ、ゴキブリ」
「あ?」
足元を見ると、黒いテカテカしたものがカサカサと…。
出たな宿敵っ!!!
「うお!?」
「…」
「…あ」
気づいたときには何故か玄関にあった古新聞で宿敵を退治してました。
よし、このまま処理しよう。
新聞紙でくるっと包んですみっこに置いてひとまず完了。しばらく見ないと思ってたのに、忘れた頃に現れるとは…。
「っぶは!ここちゃん最高!」
突然吹き出した信洋さんはお腹を抱えて笑う。そんなにおかしいことしたかなぁ?
首をかしげていると、あちこちからも笑い声が上がる。自然と笑えてきて、つられるように笑った。