私のご主人様Ⅳ
「ここちゃん、今日は休んで明日からまたよろしく」
「「「お願いします!!!」」」
信洋さんの切り替える声にも合わせてくる。こんな声に驚いて笑いも引っ込んだけど、すぐに頷いた。
…とはいえ、現場確認はしたいっ!荷物を置いたら早速散策に…。
「来い」
「え!?」
何をする間もなく、季龍さんに腕を捕まれてしまう。そのまま連行されて、連れてこられたのは季龍さんの部屋。
引っ張られたままベッドに座らされてようやく手は離れたけど、どうして連れて来られたんだろう…。
季龍さんを見上げると、なぜか睨み付けられていて、肩が跳ねる。
な、なんでこんなに怖い顔…?
目をそらすことも出来ず、カタカタ震えていると、突然手が伸びてきて思わず目を閉じる。って、この方が怖い!!
開けるタイミングも分からず固まっていると、フッと笑ったような気配と同時にぬくもりに包まれた。
「奏多にばっか、甘えてんじゃねぇぞ」
「…あ、暁くんにも、甘えて、ます」
「あ?」
「ッビク」
また不機嫌になった!?どうしよう。何を言えば季龍さんは怒らないのか分からないっ!