私のご主人様Ⅳ
とりあえずじっとしていると、呆れたようにため息が降ってきた。
「俺にも甘えてこいって言ってんだ」
「…え?」
季龍さんに甘える?…私が?
ふわりと想像しかけてやめる。そんなことあり得ないから!!
首を横に振ると、今日1番の迫力で睨まれて思わず石化。季龍さん、今なら視線だけで誰か殺せるかも…?
そんな冗談めかしいことを考えていると、ため息が降ってきた。
「いいから、甘えてこい。お前は俺のだ」
「…?」
それ、理由になってるのかな?
だって、私が季龍さんのもの、なんてとっくに分かりきってることで、今さらそれを理由にする意味が分からない。
「いいな、琴音」
「ッビク!コクコク」
悩んでいると、また圧が降ってきて必死に頷いた。