私のご主人様Ⅳ

すると、季龍さんは急に笑みを浮かべる。その顔に、ドキリと心臓が高鳴ってしまう。

…今日の季龍さん、なんかおかしい。後で信洋さんに聞いてみようかな?

「琴音、いい忘れてたが、明日からは飯と親父と俺、あと幹部連中の仕事部屋の掃除だけでいい」

「?」

「お前の他に使用人が出来た。あとの仕事はそいつがやる」

「!?」

そ、それは私の不手際のせい!?

わ、私は知らない間に何を…。ガタガタ震えていると、落ち着けと頭を軽く叩かれる。

「勘違いするな。お前の仕事に文句なんかねぇよ。むしろ感謝してる」

「で、でも…」

「勘違いするな。雇ったわけじゃない。…この1ヶ月のゴタゴタで得た人材を当てただけだ」

ヤクザの抗争って、人まで変わったりするんだ…。

で、でもそれにしたって仕事の割合がその新しい使用人さん?に片寄りすぎてる。私だって暁くんと奏多さんに手伝ってもらってるのに…。
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