私のご主人様Ⅳ

そんな危機感まで植え付けられ、動くこと1つ出来ずにいると季龍さんはため息をつくなり体の力を抜いたのが分かった。

当然、季龍さんの体は私の体に重なる。密着するような形に顔が一気に熱くなった。

で、でもそれ以上に、お、重たい…。潰されるっ!!

抵抗しようとしても身動きがとれない。顔の真横に季龍さんの顔があるのも重なってろくに暴れられなかった。

「…裸になって見られるか、服の上から触られるか。選べ」

「へ?」

き、季龍さん今、何て言った…?

聞き間違いかななんて、思っている最中に帯に手をかける季龍さんに体が固まる。

その間にも季龍さんの手は止まることなく、単にまでさせられてようやくその手は止まる。

「どうすんだ。選べ」

「…や、やだ……」

「あ?お前に拒否権はねぇよ」

「やだ!」

え、選べって言ったってその選択肢に希望なんか見えない!

本気で逃れようとすると、両手をとられ、足も押さえつけられてしまう。本格的に逃げる術を閉ざされてしまった。
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