私のご主人様Ⅳ

季龍さんと手を繋ぐなんていつもなのに、いつもドキドキしてしまう。

今だって、手に汗をかいてないかななんて気にして、ちっとも落ち着かなかった。

玄関にたどり着くと、梨々香ちゃんに引っ張られてきた平沢さんも合流して、車2台で出掛けた。

当然のように季龍さんの隣に乗せられたけど、離れない手や距離は学校に向かう車内と同じだった。

そしてそれを気にする人は誰もいなくて、梨々香ちゃんも普通に季龍さんに話しかけていた。

「ねぇ、お兄ちゃん。いつもことねぇの手繋いでるの?」

「…」

「そうだよ~。多分教室まで離してねぇんじゃね?」

梨々香ちゃんの急な一言に言葉が詰まった季龍さんだけど、信洋さんはあっさりと暴露する。

その途端歓声を上げる梨々香ちゃんに、手を離そうとしたけど季龍さんが離してくれなかった。
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