私のご主人様Ⅳ
「お兄ちゃん!ことねぇのこと好き?大好き?」
「静かにしてろ、梨々香」
「答えてくれるまでやーだ!ねぇ、知ってる?ことねぇね、結構着痩せしててね…」
「っ!?」
梨々香ちゃんは何を暴露しようとしてるの!?
慌てて梨々香ちゃんのお口を塞ぎにかかると、放れなかった季龍さんの手も離れて、梨々香ちゃんを止めるのに全力をあげた。
もちろん梨々香ちゃんはニヤニヤしていて、あれ?と思ったときには抱きつかれて胸に頬擦りされていた。
「やわらかーい」
「っ…」
「お嬢、それはやめてー」
「…」
流石に信洋さんも苦笑いだ。梨々香ちゃんの頭を軽く叩くと、いたずらっ子な顔をしながらも離れてくれる。
そのことにホッとしていると、首に腕が回って引き寄せられる。
あっさりと季龍さんの腕の中に閉じ込められると、さっきよりも密着した状態になってしまった。
「やーい。若のヤキモチ焼きー」
「黙れ信洋」
茶化す信洋さんを一刀両断にしながらも手は離してくれなかった。