私のご主人様Ⅳ

「お父さん」

「ん?なんだぁ、琴音。甘えた声出しても飴はやんねぇぞ?」

ふざけて呼んでみると、まんざらでもない顔でポケットから出したハッカ飴をちらつかせる。

そして、やらないとか言いながらちゃんとくれる平沢さんは、信洋さんに次ぐ私の餌付け係状態だ。

もちろん、暁くんにはバカだろと言われました。

「琴音さん…平沢くん!煙草は外で吸うようにと言っているでしょう!」

「固いこと言わないで田部さんもどうです?」

「結構です!琴音さん、あなたからも怒ってください!!」

畑から野菜を持ってきてくれたらしい田部さんは、煙草を吸ってる平沢さんを見るなり怒り出す。もちろん、差し出された煙草は突き返していた。

平沢さんは適当な返事をして台所の勝手口からそそくさと出ていく。

多分、田部さんの説教という名の受動喫煙の講義を聞きたくないからだと思う。
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