私のご主人様Ⅳ

季龍さんに抱き締められたような格好のまま、たどり着いたのは100円ショップが単体で建っているお店だった。

近くにコンビニもあってまぁまぁ車や人通りは多そうだ。

そんなところに高級車2台が仲良く並んで、おまけにそれなりのイケメンさん揃いに、白髪で着物の私。

スゴクメダッテル…。

居心地の悪さを感じていると、梨々香ちゃんに手を引っ張られる。

「ことねぇ、見に行こう!」

「勝手に行かないでくださいよー、お嬢様」

「はーい」

信洋さんからかけられた声に梨々香ちゃんは普通に反応して、引きずられるように店内に入る。

って、お嬢様…?なんか、変なの…。

違和感を抱えていると、目の前に突き出された物に驚いて数歩後ずさる。
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