私のご主人様Ⅳ
「梨々香さんも丁度いいところにいらっしゃいましたね」
「え?何が?」
「明日は旦那様の誕生日なんです。ささやかにでもお祝いが出来ないかと思いまして」
源之助さんの誕生日!?
梨々香ちゃんを見ればそういえばなんて言ってる。暁くんも忘れていたのか、はっとした顔をしていた。
なんで永塚組の人はもっと事前に教えてくれないんだろう…。梨々香ちゃんの時もそうだけど急すぎる…。
「ど、どうしようプレゼント買いに行けないし…」
「琴音、何作る」
そわそわし始めた梨々香ちゃんと暁くん。
田部さんも困り顔だ。
源之助さんが喜んでくれることをするのが1番だと思う。でもその問題の喜んでくれそうなことって…。
「あ」
なんだ、簡単だ。源之助さんが1番喜んでくれる方法。
すがるような目で私を見てくる3人に笑いかけて、作戦を話すと1人を除いて、2人は納得した顔をしてくれた。
そんなわけでこっそり計画を実行に移す。
もちろん、平沢さんと青海さんにも事情を話して協力を要請。すぐに快諾された。