私のご主人様Ⅳ

「そう言えば、武道みたいなの身に付けてるんだよね。ただの女の子扱いじゃ抜け出しちゃうか」

あっという間に後手に拘束させれしまう。

無理矢理引き上げられ、首元にナイフを突きつけられた。

「大人しくしててよ?まさかのこの状況で反撃できるわけないよね?」

「…」

ナイフを突きつけられたまま、窓際まで進む。下を覗き見ると、向かっていく人を全員倒している奏多さんが見えた。

その姿は余裕そのもので、私があの場に居合わせても問題ないように感じた。

「おーい、兄貴~!ストーップ!!」

「っ!?琴音ちゃん…」

まるで弄ぶようにナイフが揺れる。

奏多さんは攻撃するのを止め、大人しく捕まってしまう。

私のせいだ。…私があの時迷わなければ。

後悔に押し潰されそうになりながら、奏太さんに連れていかれたのは1階のホールのような場所。

そこに奏多さんも連れてこられて、柱と繋がれる。奏太さんの仲間らしき人たちまで集まってきた。
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