私のご主人様Ⅳ
「っ俺も連れていってくれ!鉄砲玉でも、なんでもやるからっ!!」
「…お前は奏多と来い。怪我させた奴の分、働いてもらう」
「っはい!!」
立ち上がった奴と、奏多が並ぶ。
きっと、ずっと夢見てきたんだろう。2人の顔は同じように希望が秘められていて、そこに絶望の色などない。
顔をあげる。ここで絶望しても意味はない。必ず間に合わせる。あいつを、守ると言った誓いを最悪な形で裏切らないために…。
「…待ってろ」
必ず助ける。助けて見せる。
30分と経たずに整った準備。親父と梨々香、田部、青海と最低限の守りを残し、永塚の全勢力で救出へ向かう。
それを誰も迷わなかった。琴音を助けることに全力をかけると全員が一致してこの場にいる。
たどり着いた年期の入った建物の正面に立つ。
『季龍さん』
あいつの顔が浮かぶ。あの心地よさを、安らぎを、全て取り戻す。
「行くぞ!!」
「「「「「おぉぉおお!!」」」」」
閉じられた門を突破し、突入する。
全面抗争の幕が落とされた。
季龍side end