私のご主人様Ⅳ
季龍side
舛田が話始めたことは正直理解できなかった。
少なくとも、聞いた限りでは父親は琴音を守ろうとしたらしいということは分かる。
分かるが、納得なんかできなかった。
奴は家族を捨てた。
平気で妻と娘を売り飛ばす。
おまけに、それを息子に慣れろと言う。
それが関原 隆治だったから…。
「それで、許せって言いたいのか」
いつの間にかまた気絶したらしい琴音をその場に寝かせ、さっきから黙ったままの父親を睨み付ける。
「琴音を守ろうとしたことは礼を言う。…だが、母さんと梨々香を捨てたのは許せねぇ」
「…」
「今更いい父親気取りでもしたかったのか?俺の機嫌を少しでもよくしようって魂胆かよ」
「…」
「…っ何とか言えよ!!」